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アル・ディ・メオラ(Al DiMeola)とは

      2015/04/16

速弾きを初めて行ったのは誰であろうか?この問に答えるのは難しいというか不可能でしょう。というのも、速弾きというのはあくまで表現の一手段であり、速弾きとして意識して行っていたかどうかはともかく、速く弾くこと自体は昔から行われていたからである。

しかし絶え間なく音を埋めていき、全ての音符をピッキングしていくという、フルピッキングの技術を表現の中心に置いたアル・ディ・メオラ(Al DiMeola)のギタースタイルは後世に多大なる影響を与えており、当時は間違いなく革新的であっただろう。

■伝説的バンドReturn to Foreverでキャリアの幕開け

アル・ディ・メオラの幕開けはなんといきなりチック・コリア、スタンリー・クラークレニー・ホワイトという超一流ミュージシャンだらけの伝説的フュージョンバンドの「Return to Forever」。アル・ディ・メオラが加わった第二期のReturn to Foreverは第一期と打って変わって完全にエレクトリック路線にシフトしており、複雑でプログレ色の強い楽曲が多くを占めていた。

その中で精確無比、メカニカルであり、フルピッキングによるスピード感溢れるアル・ディ・メオラのプレイスタイルは相性抜群。それに加え音数が多いスタンリー・クラーク、レニー・ホワイトに独特なチック・コリアという圧倒的個性を持つ3人がいたのだから、この時期のReturn to Foreverの演奏は超スリリング。

劇的でドラマチックな曲が多くなっていた時期であり、大がかかりで演出過剰なスタンリー・クラークに立ち向かえるギタリストはアル・ディ・メオラしかいなかったともいえる。この時期のバンドは本当にエネルギッシュであり、そこらのロックバンドよりよっぽどロックしていた。

Return to Foreverの名曲「Vulcan Worlds」。とんでもなくせわしないです。途中でメンバー4人によるソロ回しがあります。まるでHR/HMのギタリストかのごとく速弾きするアル・ディ・メオラ。今でこそ、このようなギタースタイルは確立されていますが、この時期のフュージョン界にいきなりこんな新星が現れたら衝撃ですね。

 

■HR/HMにも影響が

アル・ディ・メオラのギタースタイルはジャンルを越えてHR/HMで影響を与えています。フルピッキングでメカニカルな速弾きはロックとの相性が非常に良いですね。

■機械的・無感情との声も

アル・ディ・メオラはレガートを一切使わず、全ての音符をピッキングするというスタイルで一世を風靡しましたが、一方で「機械的・無感情」という声もやはり出てきます。実際にアル・ディ・メオラは音粒は物凄く揃っており、均一な音を機械のように繰り出すのであながち間違いではないのですが、しかし、ギターソロは意外と起承転結があります。特に、アル・ディ・メオラの得意技である6連のシーケンスフレーズは、ライブでも盛り上がる定番フレーズで、ソロの後半に配置することにより、お決まり頻出フレーズでありながら必ず大歓声を受けます。

■アコースティックギターが上手い

あとアコギが上手いのも特徴です。ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアの二人と一緒に超絶テクの応酬を繰り広げる「スーパーギタートリオ」は有名です。

アコギはエレキと比べて弦のテンションがあるのでピッキング難度はあがりますが、アル・ディ・メオラはさすがのピッキング技術を見せます。非常に鮮明に一つ一つの音をピッキングしていきますし、タイトに弾くスタイルはアコギだとさらに強調されます。

 

■レガート・スウィープは嫌い。あとロックは単純すぎる。

フルピッキングが信条のアル・ディ・メオラですが、それだけにレガートとスウィープはお嫌いのようです。Jazz Guitar book誌のインタビューで大層スウィープを批判しておりました。何より、その直後のページでランク・ギャンバレがインタビューされていたのにはなんとも言えない気分になりました。

アル・ディ・メオラは再結成Return to Foreverでフランク・ギャンバレが弾いていたのをどんな気持ちで見ていたのでしょうか。。。

他には「ロックは単調なペンタばかりでつまらない」(うろ覚え)との発言をされていたり、、、、、決してアル・ディ・メオラも特別複雑なフレーズを弾いているとは思えませんが

■近代的ピッキングスタンダードの基礎を築いた功績

極端なプレイスタイルゆえ、好き嫌いは分かれるでしょうが、近代的なピッキングスタンダードを確立したアル・ディ・メオラの功績は絶大です。直接的・間接的に、多くのギタリストが影響を受けているのは間違いないでしょう。

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