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フランク・ギャンバレ(Frank Gambale)とは

      2015/04/09

チック・コリア・エレクトリック・バンド等での活動で知られている、フュージョン界のスーパーギタリストであるFrank Gambale(フランク・ギャンバレ)

■スウィープが武器

フランク・ギャンバレと聞いてまず思いつくのはスウィープでしょう。フルピッキングのアル・ディ・メオラ、レガートのアラン・ホールズワースのようにその技術を代表するギタリストがいますが、スウィープを代表するギタリストといえばフランク・ギャンバレです。

ちなみにスウィープとはコードトーン等をオルタネイト・ピッキングせずに、ダウンもしくはアップ・ピッキングし続けるピッキングの技術の一つです。アルペジオに似ていますが、アルペジオが鳴らした音をそのままミュートせずに和音として響かせるのに対して、スウィープは和音として鳴らすことを目的とせず、あくまで単音として連続的に弾くことにあります。また、高速で弾かれることが多いです。言葉で説明してみましたが、自分でも何言ってるかよくわかりません。わかりやすい動画があったのでこちらをご覧下さい。

 

例えば4弦→3弦→2弦→1弦と、一つの弦に対して一音しか弾かずに上昇する場合、いちいちオルタネイトで弾くと効率的ではありませんし、そもそも難しい。この課題を解決するため、スウィープではこのようなフレーズに対してはオルタネイトせずにピックの片方の面だけを使って上昇(もしくは下降)します。動画では、高音弦への移動が連続的に発生しているので、ひたすらダウンピッキングすることにより弦移動をしていますね。こうすると効率的に、そして高速に上の動画のようなフレーズを弾けるようになります。これが、スウィープ。

そしてスウィープは現代のギタリストであれば誰しもが使うような奏法です。HR/HM界では特に多くのギタリストが使います。しかし、フランク・ギャンバレのスウィープは他のギタリストとは少し異なります。その秘密はフランク・ギャンバレが開発したピッキングの方法であるエコノミーピッキングにあります。

■超高難度、エコノミーピッキング

フランク・ギャンバレはスウィープで有名ですし、実際に多用しますが、そもそもフランク・ギャンバレがスウィープを多用するのには理由があるのです。その理由とは、フランク・ギャンバレ自身が開発した技術であるエコノミーピッキング。かっこいい名前ですが、残念ながら全く流行りませんでした

それではエコノミーピッキングとは、一体どのような奏法なのでしょうか。あまり知られていないエコノミーピッキングですが、フランク・ギャンバレを現在の地位にまで押し上げた奏法であるといっても過言ではありません。

さて、エコノミーピッキングとは「高音弦への移動はダウンピッキング、低音弦への移動はアップピッキング」で行うピッキング方法のことをいいます。オルタネイトピッキングで生じる無駄な動きを極限まで減らして効率的なピッキングを行うという考え方が根底にあります。エコノミーピッキングを使うと理論上はピッキングの動きが最適化され、右手の動きが最小限に済みます。

スウィープもオルタネイトピッキングで生じる無駄を減らすために、高音弦や低音弦の連続移動がある際にオルタネイトピッキングを使わずにダウン(アップ)ピッキングを使うという技術です。そういう意味でスウィープというのはエコノミーピッキングと考え方は一緒ですし、そもそもやっていることも一緒です。ただ、スウィープが連続的に弦移動が行われる場合にオルタネイトピッキングをダウンもしくはアップ・ピッキングに切り替える技術である一方で、エコノミーピッキングは弦移動が発生する度にオルタネイトピッキングをダウンもしくはアップ・ピッキングに切り替える技術です。

つまり、弦移動が発生する場合は如何なる場合でもスウィープするのがエコノミーピッキングということです。そして、普通の人間にはこんなことはできません。だからこそエコノミーピッキングは全く流行りませんでした

言葉だけではイメージできないと思いますので映像を見てみましょう。

チック・コリア・エレクトリック・バンドのGot A Matchです。正直映像見てもよくわかりません。ただ、フランク・ギャンバレのピッキングを見ると動きが少ないのはなんとなくわかるかと思います。注意深く見ればフランク・ギャンバレは弦移動がない時はオルタネイト・ピッキングで弾いており、弦移動が発生すると移動する弦に応じてダウンもしくはアップ・ピッキングに切り替えているのが、、、、、まあ、わかりませんよね私もわかりません

 

こちらはフランク・ギャンバレとブライアン・ブロンバーグのデュオ演奏です。こちらでもエコノミーピッキングを用いてスウィープを連発しています。フランク・ギャンバレは本当にどんなポジションでもスウィープができるんじゃないかというくらいスウィープしてきます。

スウィープは現在ではメジャーな技術ですが、フランク・ギャンバレの技術に及ぶものはいないように感じます。フランク・ギャンバレはスウィープのレパートリーが他のギタリストと比べて圧倒的に多いのです。

まず左手のポジションに関わらずあらゆるポジションでスウィープができる。さらに3本弦でのスウィープなど、スウィープする弦の本数に関わらずスウィープができる。とにかくあらゆるコンビネーションでスウィープができます。

 

■後継者は多分現れない

ギターの奏法にはいろいろな奏法があります。その中でも実用性の高いものは生き残ります。タッピング、スウィープ、レガートなどなど、、、、、

一方でギターで行うスラッピングなどは、たまに使う人はいますが実用性が低いので、飛び道具程度にしか使われておりません。

この観点で言えば、エコノミーピッキングは実用的です。ただし、普通の人にとっては机上論技術なのが問題です。フランク・ギャンバレはエコノミーピッキングを自在に扱っていますが、普通の人間であれば挫折します

ということで、エコノミーピッキングを奏法の中心に置くような、フランク・ギャンバレの後継者になるようなギタリストは今後現れないでしょう。もちろん、エコノミーピッキングを奏法の一部として使うギタリストはいくらでもいるでしょうけども。

エコノミーピッキングの提唱者であり、スウィープモンスターであるフランク・ギャンバレは偉大です。

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