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ジャック・ブルース(Jack Bruce)とは

   

ジャック・ブルース(Jack Bruce)とは1943年5月14日スコットランド生まれのベーシスト、ボーカリスト、作曲家である。

エリック・クラプトンとジンジャー・ベイカーと共に組んだ伝説的トリオバンドであるクリーム、トニー・ウィリアムズライフタイム、ソロ活動といった活動を行ってきている。その他、ジョン・マクラフリン、フランク・ザッパ、ミック・ジャガー、コージー・パウエル、ソフト・マシーン、ゲイリー・ムーア、アラン・ホールズワース、レズリー・ウエスト、リンゴ・スターといったミュージシャンとも共演している。革新的なベースプレイ、ミュージシャンとしての芸術性により、楽器問わず広く音楽界に影響を与えたミュージシャンである。

ティム・ボガートジョン・エントウィッスルらと共に、リードベーシストを代表するプレイヤーでもある。

■来歴

Royal Scottish Academy of Musicでチェロと作曲を学んだジャック・ブルースだが、彼のアイディアに対する教授の理解がなかったことに落胆し、16歳の頃に学校を離れて街を離れる。

イタリア、ロンドンと移動し、ダンスバンドやジャズグループでコントラバスを演奏していたが、1962年にアレクシス・コーナーのブルース・インコーポレイテッドに参加する。同バンドには後にローリング・ストーンズのドラマーとなるチャーリー・ワッツも参加していた。コーナーのバンドを去ると、1963年にグレアム・ボンド、ジョン・マクラフリン、ジンジャー・ベイカーと共にバンドを組むが、3年を経てバンドをクビになる。理由は、彼のプレイが”忙しすぎる”(ジンジャー・ベイカー)から。

マーヴィン・ゲイからのオファーもあった(結局参加はできない)ジャック・ブルースは、その後ジョン・メイオールのブルースブレイカーズでエリック・クラプトンと出会うことになる。そして、ジンジャー・ベイカーがジャック・ブルースにエリック・クラプトンとのトリオバンドを提案することにより、伝説的ロックバンドであるクリームが誕生することになる。

短い活動期間ながら、2年間で3500万枚以上の売上を残し、傑作『Wheels of Fire』は世界初となるプラチナディスクを獲得する。各自が当代随一の実力をほこり、個性的なプレイヤーである。そんなメンバーによる、ライブにおけるスリリングな即興演奏は衝撃的だったはず。ジャック・ブルースはベーシスト・ボーカリストとしてクリームで活躍していたが、作曲家としての貢献も非常に大きい。”Politician”、”Sunshine Of Your Love”、”White Room”といった名曲もジャック・ブルースの手によって作曲されている。また、歪んだサウンドにから繰り出される手数の多いアドリブフレーズによって、ジンジャー・ベイカーとエリック・クラプトンに真っ向から殴りあうベースプレイも素晴らしいの一言。クリームは今聞いても個々のぶつかり合いが緊張感に溢れており、胸が高まります。

しかし、トリオバンドらしく短命に終わったクリーム。クリーム解散後のジャック・ブルースは、ロック・ジャズ・クラシック等、自身の音楽的背景を反映させたソロ活動を行う。だが、ラリー・コリエルとミッチ・ミッチェルと共にツアーを行っている途中に、ジョン・マクラフリンからトニー・ウィリアムズを紹介されたことをきっかけに、トニー・ウィリアムズのライフタイムに参加することになる。ライフタイムの後は、ブルースに根ざした音楽を指向し、レズリー・ウエストと合流。

以降は、カーラ・ブレイ、サイモン・フィリップス、ミック・テイラー、ビリー・コブハム、ゲイリー・ムーアといったミュージシャンをサポートに呼びながら積極的なソロ活動を行う。セッションミュージシャンとしてはフランク・ザッパの名盤”Apostrophe”に参加したことはよく知られているだろう。

1990年以降は、オーケストラとの共演、ピアノへの専念、ゲイリー・ムーアとジンジャー・ベイカーとのBBM、リンゴ・スターのオールスターバンドへの参加、ウリ・ジョン・ロートやマイケル・シェンカーとのツアー、クリームの再結成など、わりかしマイペースに自身の音楽的欲求を満たしていった印象。

クリームでの活動が最も知られているが、音楽的には非常に幅広く消化しており、ソロ作品等を聞くと非常に作品性が高いことがわかるかと思います。

■プレイスタイル

リードベーススタイルが有名なジャック・ブルース。同時期にティム・ボガートジョン・エントウィッスルというバリバリのリードベーシストもいたが、ジャック・ブルースは彼らのリードベースとはまたタイプが違う。

ティム・ボガートは攻撃的で荒々しい、アグレッシブなリードベースが特徴。非常にロック的といえる。ジョン・エントウィッスルは派手なベースラインを好み、フレットの横移動も大きく、高音にも積極的にいく。サウンドは、ギターほどに歪ませており、目立ちまくりである。

ジャック・ブルースのベースラインもかなり動くし、フランク・ザッパの”Apostrophe”で聴かれるような攻撃的で歪みまくったベースプレイもする。でも、何かこの二人とは違う。ティム・ボガート、ジョン・エントウィッスルはロック的なリードベースである一方で、ジャック・ブルースはジャズやブルース、さらにはクラシックの影響もみられるのである。ロックの枠に収まらない、多様な音楽的背景が顔をのぞかせるようなリードベーススタイルが、二人との違いであろう。

❚フレージング

リードベーシストらしく動きまわるベースラインが特徴。即興演奏が得意であり、他のプレイヤーのフレージングに即時に反応するようなベースラインも特徴。クリームでも、クラプトンとジンジャー・ベイカーのフレーズに反応するようなアドリブフレーズをよく弾いていたもので、クリームの魅力の一つにもなっていた。また、動きまくるリードベースタイプながら、どこか品のあるフレージングも他のリードベーシストとの違い。ロックに留まらず、ジャズやクラシックの影響を感じさせるフレージングを行う。

❚サウンド

また、サウンドも特徴的。歪ませたサウンドなのに、あまりロック的なサウンドには聞こえない。むしろ、ウッドベース的な温かみのあるサウンドを歪ませているような響きを持つ。元々コントラバスを演奏してきたことも大きく影響してそうである。フレットレスベースも演奏しており、恐らく温かみのあるサウンドを好んでいるのだと思われる。

■まとめ

一人の音楽家としても優れているジャック・ブルース。ベーシストとしては革新的なプレイを行っており、信者も多い。音楽的にも多くのジャンルを経験してきており、プレイにも表れている。

なにより、尖りまくってたときのエリック・クラプトンと対等に渡り合ったベーシストである。クリームにおける超スリリングなアドリブプレイは今聞いても鳥肌が立つ。リードベーシスト好きは必ず聞くべきです。

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