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Paul McCartney(ポール・マッカートニー)

   

永遠に語り継がれるであろう音楽史上屈指のミュージシャン、Paul McCartney(ポール・マッカートニー)

ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターと共に結成したビートルズは、その後の音楽史に多大なる影響を与えると共に、世界で最も有名かつ人気のあるバンドとなる。ビートルズ後は、ウイングスやソロ活動を展開していく。そしてこちらでももちろん成功

そのビートルズにおいて、ポール・マッカートニーはジョン・レノンと数多くの楽曲を作詞作曲しており、共同クレジットのレノン=マッカートニーはあまりにも有名。ちなみに、どちらかが単独で作詞作曲した場合でもレノン=マッカートニーの表記はなされる。そしてポール・マッカートニーは、ビートルズや自身のソロ活動を含めて60のゴールドディスク、1億枚以上のアルバム・シングルを売り上げており、ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家としてギネスに認定される。化け物。歴史に語り継がれるような名曲中の名曲を量産する化け物。いかなる時代であろうと通じる、普遍的なメロディを持つポップソングを数多く作り上げた。本当に、数多く。それでいて、イエスタデイのような切なさを持つ、これまた名曲中の名曲を作る

あらゆる楽器を弾きこなすマルチプレイヤーであるが、ビートルズでは主にベースを弾く。いろいろな楽器を弾くのでベースの腕前はいまいちなのかというと、全くそんなことはなく、後世に多大なる影響を与えるようなメロディアスなベースプレイを数多く残す。ベーシストの多くは今でもポール・マッカートニーに影響を受けている。そして彼は左利き。左利き用のヘフナーベースはこれまたポール・マッカートニーが使ったことにより、世界的に有名である。

プレイスタイル

数多くの楽器を弾くことができるマルチプレイヤーだが、本記事では主にポール・マッカートニーのベーシストとしての側面を掘り下げたい。ポール・マッカートニーのベースプレイは多くのベーシストに影響を与えているが、それだけに大変個性に溢れるプレイスタイルである。ベースのプレイスタイルには演奏者の性格や音楽的背景が強く反映されるが、ポール・マッカートニーのプレイスタイルも例によって彼の音楽的背景が色濃く出ている。

ソングライターが弾くベース

まず、ポール・マッカートニーのベースプレイはあまり”ベーシストっぽく”はない。それは彼が作曲者であり、ボーカリストであり、それでいて他の楽器も弾けるマルチプレイヤーであることが関係していると思う。ポール・マッカートニーのベースは”ベーシスト”が弾くベースというよりは、”シンガーソングライター”が弾くベースといった感じである。

ソングライターに結構多いイメージなのだが、作曲する際に必要なためか、複数の楽器を弾けるソングライターは多い。しかも、大体センスがやたらに良い場合が多い。恐らくですが、作曲をしているのでどのような音を弾けば曲に馴染むかというのが感覚的にわかるのであろう、ソングライターという人種は。そしてシンガーソングライターであると、普段から歌を歌うので、やたらにメロディアスなベースラインとかを弾きだす。

ポール・マッカートニーは、そのような”シンガーソングライターが弾くベース”が限界まで極まった例である。センスしか感じません

とにかく、メロディアス

まず、良く言われることですがポール・マッカートニーのベースプレイはとにかくメロディアス。メロディアスベースの権化である。メロディアスに弾くベーシストはもちろんポール・マッカートニーの他にもいますが、ポール・マッカートニーと他のベーシストには明らかな違いがあります。

どこが違うか?

通常のベーシストであれば、どれほどメロディを意識したベーシストであろうと、どうしても所謂定型的なベースラインっぽいベースを弾きたくなってしまう。そのため、メロディアスなフレーズは定型のベースラインの隙間に、フィルとして入れるような方法で弾くことが多い。

ポール・マッカートニーも、もちろん上記のような弾き方でフレーズを弾くことはある。しかし、サムシング等の曲に見られるように、全編的にメロディアスなフレーズを、定型的なベースラインに一切戻らずに弾ききることもある。これは驚異である

一曲通してメロディアスなフレーズを弾く際のポール・マッカートニーは本当に凄い。コード進行の流れを全く阻害せずに、フレーズとフレーズをキレイに紡いでいく。一曲通してメロディがキレイに繋がっており、ベースラインを聞くだけでコード進行が浮かんでくるし、何の曲だかもベースラインを聞くだけでわかる。

意外と感覚で弾いてそう

さらに、ポール・マッカートニーは割りと感覚で弾いてそうな節がある。特に、ベースで一曲通して動きまわるような曲では、アドリブっぽい弾き方をしている。ヘイ・ブルドッグとか。同じセクションでもフレーズは全然違っていたりするし、綿密に考えてベースラインを作り上げたとは感じられない。意外とあまり考えずに感覚で弾いている気はする。ただし、その感覚があまりに尖りすぎていてセンスが溢れて止まらないようなフレーズを弾けるのだろう。そんな気がする。

なぜか曲に馴染む

ポール・マッカートニーのベースラインは、動きまわる時はとにかく動き回る。いくらメロディアスなベースラインであろうと、動き回りすぎると普通は曲の主旋律の邪魔をしたりしてしまう。

しかし、ポールのベースラインはなぜか邪魔しない。サムシングのベースラインなんて、自分の曲じゃない(ジョージの曲)のに遠慮なく動き回っている。普通だったら作曲者にぶん殴られるくらいの動き回り方だが、なぜか馴染む(実際にはジョージは怒ったという話もある)。

ポール・マッカートニーのベースラインが曲の邪魔をしないのは、彼自身がシンガーであり、ソングライターであるためであろう。歌の邪魔をしないようなベースラインの動かし方というのが感覚でわかるのだと思う。

作曲者・シンガー・マルチプレイヤーであるからこそ

ポール・マッカートニーのベースプレイは彼が作曲者・シンガー・マルチプレイヤーであることを強く反映した抜群のセンスの良さがある。

メロディアスなフレーズは、普通のベーシストでは出てこないような発想に溢れている。楽曲全体を通して流れのあるフレーズを弾くし、コード間の繋がり方も素晴らしい。

サウンドと節回し

ポール・マッカートニーはベースサウンドも独特である。これまたあまり”ベーシストっぽくない”サウンド。丸っこく、柔らかく、軟式のテニスボールのような感覚。また、節回しについてもメロディを立たせることが上手い。

まとめ

作曲者としては最高の評価を受けているポール・マッカートニー。しかし、ベーシストとしても大変個性が強く、いちいちセンスに溢れたメロディアスなフレージングを連発する。ベースだけを弾いていては出ないような発想やフレーズがとにかく多い。

唄っているようなメロディアスなフレージングは恐らくシンガーであることの影響。ただし、どんなに動きまわっても主旋律の邪魔をさせないバランス感覚もシンガーであるためだろう。

コード間でのベースラインのつなぎ方も強く意識されており、これは作曲家として全体をしっかりと見渡していることが影響しているのかも。

メロディアスベースの究極系であり、通常の発想では出てこないようなプレイをするポール・マッカートニーのベースはとにかく参考になる。作曲者としてだけでなく、ベーシストとしても偉大です。

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