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フィル・レッシュ(Phil Lesh)とは

   

フィル・レッシュ

フィル・レッシュ

フィル・レッシュ(Phil Lesh)とは1940年生まれのアメリカ出身ベーシストであり、グレイトフル・デッドやフィル・レッシュ&フレンズの活動で知られる。

近年ではそのマーケティング手法も注目を集めているグレイトフル・デッドのオリジナルメンバーである。グレイトフル・デッド解散後は、フィル・レッシュ&フレンズを結成している。

フィル・レッシュ&フレンズでは、トレイ・アナスタシオ、ジョン・スコフィールド、ウォーレン・ヘインズ、デレク・トラックス、スーザン・テデスキ、その他数多くのミュージシャンと共演している。

楽器演奏はヴァイオリンから始めており、その後トランペットに移るが、ベースの演奏経験はなんとグレイトフル・デッド加入までなかった。グレイトフル・デッドへの加入が決まってからベースの練習を始めている。元々ウワモノ楽器の演奏者だったことが関係してか、プレイスタイルは通常のベーシストと大きく異なり、それがフィル・レッシュの個性の一つともなっている。

■プレイスタイル

低音ギタリスト

元々ベースの演奏経験がなかったフィル・レッシュ。リズム楽器の感覚がないままにグレイトフル・デッドに加入しており、そのためか彼のプレイスタイルは大変「腰高」である。

通常のベーシストのようにボトムに張り付いてグルーヴをだしていくタイプではなく、低音〜高音を縦横無尽に駆けまわっていく「腰高」なベースプレイ。ベーシストというよりは、「1オクターヴ低いギターを演奏している」かのようなプレイスタイル。

同じフレーズを弾かないアドリブの鬼

フィル・レッシュのもうひとつの個性が「即興演奏」である。というのも、グレイトフル・デッド自体が自分たちの曲を一切原曲どおりに弾かないアドリブバンドだから。

同じ曲を演奏しても、ライブによって全く演奏内容が異なるグレイトフル・デッド。フィル・レッシュも同じフレーズを弾かないアドリブ野郎です。他のメンバーの演奏に即時に反応してフレーズを展開していき、フレーズを動かしまくります。彼の即興における反応の早さは素晴らしく、グレイトフル・デッドのライブの見所の一つでもあります。

リードベースではない

リードベースの定義にもよるが、個人的にはフィル・レッシュのベースはリードベースではないと思う。

フレーズは動かしまくりますし、彼のベースは目立つ。しかし、リードベースというのはバンドを引っ張るものだと思う。そういう意味ではフィル・レッシュのベースはバンドを引っ張るというよりは、他のメンバーと反応し合っている感覚なのである。これはグレイトフル・デッドの音楽性に強く関係している。

グレイトフル・デッドの演奏を聞くと、全員が互いに反応し合って、主役が目まぐるしく入れ替わっていくのがわかる。しかも、その主役をバトルで取り合うようなことはせず、お互いが出るときは出て、引くときは引いている。

グレイトフル・デッドが活動していた時期に、他にもアドリブ中心で曲を演奏するバンドはいたが、グレイトフル・デッドとそれらのバンドが違ったのはまさにこの点だろう。他のバンドは、メンバー同士でバトルし合って主役を取り合っていた。めちゃくちゃスリリングな演奏スタイルではある。しかし、グレイトフル・デッドは即興中心でありながら、あくまで全員で一つの曲を完成させようという意志がみられる。どちらが上ということではないが、同じ即興演奏でもスタイルとしては違うということである。

そして、バトルし合うようなバンドのベーシストにはリードベーシストが多かった。クリームにおけるジャック・ブルース、BBAにおけるティム・ボガートなどがそうだろう。彼らはギターを食うつもりでベースを弾いており、自分たちで曲を引っ張る気まんまんなのである。バトルし合うようなバンドではなくとも、ベースが引っ張ることがバンド内で許されてる例としてはジョン・エントウィッスルもいますね。

この三人のベーシストとフィル・レッシュを聴き比べるとわかりやすい。フレーズはむしろフィル・レッシュの方が動かしている。しかし、フィル・レッシュは他のバンドメンバーの隙間を縫うようにベースを弾いており、他の音を補完しているようなフレージング。一方ティム・ボガートは他をつぶしにかかる。ジョン・エントウィッスルは自分が目立って当然だと思っている。ジャック・ブルースはカリスマだから目立ってもしかたない

バンドを「引っ張っていく」リードベースとは違い、音の隙間を埋めていくようなフィル・レッシュのベースは、音数は多くともリードベースとは少し違うかなと感じます。

■まとめ

常に音を動かしており、他の音に素早く反応して即興で音の隙間を埋めるフィル・レッシュのベースプレイ。通常のベーシストとは全く異なるプレイスタイルであり、超個性的。グレイトフル・デッドのライブはお互いがお互いの音に反応しあって曲を作り上げていくが、その中でのフィル・レッシュのプレイはめちゃくちゃ格好良い。

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