Onkui Channel

全ジャンル対応音楽メディア

*

映画「アバウト・タイム」の感想(リチャード・カーティス)

      2015/06/04


Amazonで検索
iTunesで字幕版を購入

「いつものように、大切な家族や、友人とゆっくりと話をして過ごしたい。何気ない時間にこそ、幸せがあると言うことを味わって、人生最後を終えられたら本当に素晴らしいね。」

URL:http://dacapo.magazineworld.jp/cinema/152321/

リチャード・カーティス監督の言葉。この想いが「アバウト・タイム」という映画に込められている。

アバウト・タイムは何気ない時間にこそ幸せがあることを伝えてくれる映画です。ありきたりなテーマなだけに抱く感想も月並みで陳腐な言葉しか出てきません。多分、この映画の感想を知人に伝えても、誰も見たいとは思わないでしょう

しかし、それでもこの映画は今まで見てきた中でもOne of The bestな映画です

以下、アバウト・タイムの内容について、感想について綴ります。まだ、映画を見ていない人はご注意を。

 

ざっくりとしたあらすじ

両親と妹、伯父の5人家族で暮す青年ティム。しかし、この一家にはある秘密があります。その秘密とは、一族の男が全員タイムトラベルを使えるというもの。

・・・・全く面白そうではありません。実は今回アバウト・タイムを私が見たのも、友人に強く薦められていて、なんとなく見ないと気まずかったからです。友人が上記のようなあらすじを私に話したのですが、全く興味はそそられませんでした。ただでさえ、映画は普段みないし。

さて、あらすじに戻ります。タイムトラベルを使えるという事実を主人公のティムは父親から21歳の誕生日に聞かされます。タイムトラベルをする方法も至極簡単。暗い部屋の中で両手を握るだけ。

なんとも雑な設定。とはいっても、この映画の中でタイムトラベルは幾度と無く行われているにも関わらず、この映画にとってタイムトラベル自体が重要であると考える人はおそらくいないでしょう。タイムトラベルはあくまでリチャード・カーティス監督が伝えたかったメッセージを効果的に伝えるための一手段でしかありません。

以降のあらすじは特に説明することもありません。タイムトラベル能力を自覚したティムはその後、自分の人生と友達の人生、そして家族の人生を幸せにするためにタイムトラベル能力を使います。それだけなのです

驚くべき事件のなさ

アバウト・タイムには、驚くほど事件が起きません。

タイムトラベル能力を自分が持ったら・・・・・金・名誉・地位のために使う、女遊びに使う。いろいろ想像力が掻き立てられます。しかし、主人公のティムは愛する人を作るために、そして愛する人たちを幸せにするためにしかこの能力を使わないのです。

普通の人間がタイムトラベル能力を手に入れたら、もっと大きなことを成し遂げようと思いそうなものですが、ティムが使うのは何気ない日常をちょっと幸せにするためだけ。そんな中で事件が起こるべくもありません。

普通に考えたらなんともつまらない映画なはずです

何気ない日常という幸せ

あらすじを話しても面白そうに聞こえない映画ですが、それでもこの映画は最高に素敵な映画です。私は普段あまり映画を見ないし、映画館に行くこともほとんどありませんが、この映画はそんな人たちにとってもきっと素敵な時間を与えてくれます。できるだけ大切な人と行くことをおすすめします。

陳腐な言葉ですが、この映画を見ると何気ない日常という幸せを大事にしたいという気持ちにさせられるのです

「何気ない日常の幸せ」という一見簡単そうな言葉。でも考えてみれば、その何気ない日常を作り上げるのがそんな簡単なことではないのです。一日一日を大切に、周りの愛する人たちのことを大切に、そのように一日を生きていかなければ何気ない日常の幸せなんて現れてこないのでしょう。

また、この映画で象徴的な父と子の関係。父親もタイムトラベルを使えます。ティムの父親はタイムトラベルをすることにより読書に興じたとのこと。そして、息子と毎日卓球をする日々、海岸でサンドイッチ(だっけ?)を家族で食べる日々、家族で映画を見る日々。。。。なんとも退屈そうな日常です

しかし、ティムの父親が死ぬことを知った際にタイムトラベルをしてまでやりたいと思ったのが、このなんともつまらなそうな何気ない日常を送る人生なのです。ティムの父親は息子であるティムと卓球を毎日するだけの人生、それだけで幸せだったのです

タイムトラベルの末に

ほぼリスクなしにタイムトラベルを使うことができるティムそしてティムの父親が至った結論というのが、何気ない日常を送ること。

ティムの父親は、一日ずつ毎日タイムトラベルをして、全く同じ日常を過ごすことを幸せの秘訣であると言います。全く同じ日常であろうと、その同じ日常をもう一度過ごすことにより、気が付かなかった日常の幸せに気付けると考えました。

ティムはそんな父親の考えをさらに一歩進めて、タイムトラベル自体を一切使わずに何気ない日常を一日一日大切に過ごすことを送ることを最終的に選択します。

何度も人生をやりなおすことができるのであれば、ある意味時間は無限にあり、時間の大切さを忘れてしまいそうにも関わらず、この二人は誰よりも日々の時間を大切にしている。

私なんて過去に戻れなにも関わらず時間を浪費してしまうのに、人生にやり直しがきくこの二人が、結局一日一日を大切に生きようと考えたのがなんとも面白い。

 

最初から最後まで心地が良い

アバウト・タイムは最初から最後まで終始心地が良い映画です

何気ない日常の大切さを伝えてくれますが、それを説教くさく教えてくるわけでもない。ただ単に、何気ない日常の大切さが自分に染み入ってくる

事件性もなく、ワクワクするわけでも、ドキドキするわけでもない。ラブ・コメディではあるけど、大笑いするような場面はなく、どちらかというとフフフと思わず声を出してしまうような笑い。考えてみれば普通の人間の日常を見ても大笑いするようなことはありませんね。

映画が終わったら、劇場内で男女問わず泣いている人が多かったのが印象的。無理矢理に感動させられたような、そういう泣き方ではない。すごく自然な泣き方をみんなしていた。だからこそ、男性でもひと目を憚らず涙を流していたのだと思う。

何かを深く考えさせられる映画でもありません。

だって、何気ない日常を大切にしようという当たり前のことしか思わないから

しかし、それが最高に心地が良かった。

大して面白さは伝わらなかったと思いますが、それでもこの映画は最高に素敵な時間を与えてくれます

 - 映画

  関連記事

no image
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』登場ヒーロー強さランキング

総勢12人のヒーローが登場 映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、ヒー …

no image
【ネタバレ】『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』感想レビュー

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 ゴールデンウィークの幕開けと共に、待ち …