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Rocco Prestia(ロッコ・プレスティア)「驚異の16分音符」

      2017/05/14

16分音符のプレイスタイルが特徴的なTower of Powerのベーシスト、Rocco Prestia(ロッコ・プレスティア)

それまで誰も弾いたことのないような16分音符のプレイスタイルを作り出した超個性派ベーシストであり、そのためにプロベーシストにも多くのファンを持つベーシストです。

オークランドのファンクバンドであるタワー・オブ・パワーのベーシストであり、デヴィッド・ガリバルディとのコンビは音楽史に残るベードラセクション。

プレイスタイル

ロッコ・プレスティアのプレイスタイルの特異性については、やはり16分音符の使い方。従来の16分音符の名手達とは全く異なる16分音符の使い方をしており、ロッコスタイルの16分音符の使い方は多くのベーシストに影響を与えている。ロッコ・プレスティアのファンを公言しているベーシストは数多く、日本でも青木智仁さんが大ファンであった。

16分ファンクスタイル

ロッコ・プレスティアのプレイスタイルについて語る際は、16分音符の話に終始する。それは16分音符しか特技がないから、という理由ではなく、16分音符の使い方があまりにも個性的すぎるからである。

ファンクというジャンルが生まれてから、音符を16分に細分化してプレイするスタイルはあっという間に浸透した。特に16分音符が多用されるファンクでは、ベーシストの役割というのは非常に大きく、16分の使い方の上手さというのはベーシストの実力を計る一つの基準となりうるのです。

16分の使い方が注目されたベーシストといえばジャコ・パストリアスがいる。今でもジャコの16分フィールに影響されているベーシストは星の数ほどいる。「ジャコ・パストリアスの16分」というのはひとつのプレイスタイルといえるほどに確立していると思います。

しかし、そんなジャコとは全く異なる16分音符のプレイスタイルを引っ提げて登場したのがロッコ・プレスティア。従来のファンクベースにおける16分音符の使い方とも全く違うプレイスタイルで登場したのです。

ベースを弾いている方だったらわかると思いますが、16分音符を弾く際には基本的に音符は強く跳ねます。というか跳ねたくなります。隙があればオクターヴでアクセントをつけたくなるし、やたらと16分の偶数番目の音符を弾きたくなります。

だが、ロッコ・プレスティアはこれらの常識を根底から覆した。

ロッコ・プレスティアはプクプクした音でのっぺりと16分を弾くというスタイルでファンクを弾くのだ。ファンクでのっぺりと16分を弾くのなんかありえねぇ!グルーヴしねぇ!踊りたくならねぇ!ふざけんな!と言いたくなるかと思いきや、なぜかこれが最高にグルーヴする踊りたくなる

しかし、このプレイスタイルはファンクの常識から考えたらあり得ない。今でこそロッコがいるから当たり前にはなったが、当時はこんなベーシストはいなかったわけです。よくこのベーススタイルを確立したものだ、と思います。王道の反対に行くには相当の勇気が必要だっと思います。ロッコ・プレスティアは16分音符の革命家と言っても過言ではないと思います。

ミュート奏法

さて、そんなロッコ・プレスティアは特に「プクプク」したグルーヴ・サウンドが有名です。この個性的な「プクプク」しているサウンドですが、ロッコの特殊な奏法によって演出されています。

ロッコが使うのは、ジャコが登場してから多くのベーシストに導入された1フレット1フィンガーの対極に位置する、1フレットオールフィンガー(今思いついた造語)です。

ロッコの奏法の特徴は左手にある。彼は人差し指で弦を押さえて、その他の残りの指を全て弦のミュートに使う。ちなみにこのミュートは弾いていない弦のミュートではなく、実際に弾いている音のミュートに使うのである。音をミュートしながら弾くことにより、音程がありながらもミュートされているような、「プクプク」したサウンドが生まれる。そして、このような「プクプク」した音を徹底するために、出来るかぎり全ての音を「人差し指でフレットを押さえる・他の指は弦のミュート」しながら弾いています。

音が移動する際にも、指を伸ばさず、手全体を移動させる

音の敷き詰め

ファンクベーシストは16分の裏で休符を多用したり、付点八分音符を多用する傾向にありますが、ロッコ・プレスティアは全く違う。

ロッコ・プレスティアの音が「のっぺり」している原因の一因ですが、彼は16分音符を連続して敷き詰める傾向にある。特にこれが顕著なのがタワー・オブ・パワーのWhat it is Hipという曲。ベーシストに人気の曲であり、マーカス・ミラーにもカバーされています。一般的なファンクベーシストとは全く異なる弾き方ですが、なぜか超グルーヴする。

シンコペーションもあまりアクセントをつけずにのっぺりと弾く。オクターヴで弾く際にもアクセントをつけずのっぺりと弾く。

音を均一に敷き詰めて、強弱をつけないロッコ・プレスティアのプレイスタイル。相当尖ったプレイスタイルですが、これが不思議なグルーヴ感を生み出すのである。

まとめ

ファンクベーシストというのは跳ねまわったリズム感覚で、休符で強弱をつけたり、オクターブで強弱をつけたり、とにかく結構騒がしいベーススタイルが一般的。

ロッコ・プレスティアはその正反対をいく。音を全てミュートすることによって音を均一化させる、裏の休符は多用しない、強弱もあまりつけない、というファンクベーシストとは思えないプレイスタイル。しかし、これが実は超ファンキーだということをロッコは教えてくれた。

「ジャコ・パストリアスの16分」というのがひとつのスタイルといえるのと同じように、ロッコの16分プレイスタイルも「ロッコ・プレスティアの16分」と言えるほど確立されたプレイスタイルであると思います。

 - ベーシスト ,

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