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リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return to Forever)とは

   

Return to Forever黄金期ラインナップ

Return to Forever黄金期ラインナップ

リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return to Forever)とはチック・コリア、スタンリー・クラークを中心に結成された1970年代に活躍したジャズ・フュージョングループである。

ジャズが他のジャンルと積極的に融合していった時代に現れたバンド。マハヴィシュヌ・オーケストラ、ウェザー・リポート、ハービー・ハンコックのヘッド・ハンターズらと共にフュージョン/クロスオーバーというジャンルを盛り上げました。

■来歴

初期

マイルス・デイヴィスのバンドで活躍していたチック・コリアがスタンリー・クラーク(ベース)、ジョー・ファレル(サックス、フルート)、アイアート・モレイラ(ドラム)、フローラ・プリム(ヴォーカル、パーカッション)を誘い『リターン・トゥ・フォーエバー』を発表。チック・コリアのソロ名義ではあるが、実質的にはバンドのデビュー作とされている。

エレピのサウンド、スタンリー・クラークの疾走感あるウッドベースプレイ、けだるいながらもポップな雰囲気を持つヴォーカル、ラテンの要素を取り入れたリズムパターンはそれまでの”ジャズ”という枠組みからは大きく越えており、まさにクロスオーバー/フュージョンを象徴する作品といえるだろう。今でこそジャズと他のジャンルの融合は当たり前になっているが、当時としては革新的。保守的なジャズファンからは賛否両論があったことも予想されます。続くセカンド・アルバムの『ライト・アズ・ア・フェザー』もスタンダードナンバーとして人気となる”スペイン”が収録されており、名盤とされています。

初期のリターン・トゥ・フォーエバーの特徴といえば、チック・コリアのエレピサウンド、ラテンとの融合、オリエンタルな雰囲気、けだるくポップなヴォーカルであろう。デビュー作とセカンド・アルバムは共にクロスオーバー/フュージョン史に残る名盤と言われており、この時点でバンドとして十分に成功しているといえる。

しかし、黄金期と呼ばれる時代はこの後である。

黄金期

チック・コリアとスタンリー・クラークを残して他のメンバーが脱退し、代わりにビル・コナーズ(g)、スティーブ・ガッド(ds)、ミンゴ・ルイス(per)が加入するも、ガッドとルイスはすぐに脱退。後任にドラマーとしてレニー・ホワイトが加入。初期と比べてロック色が急速に強まるサード・アルバム『第7銀河の讃歌』を発表。

しかし、ギターもその後かわっていきます。ビル・コナーズに代わりアール・クルーが参加するが、その後当時まだ無名のギタリストであったアル・ディ・メオラが加入。なんと年齢は20歳!

そして、チック・コリア/スタンリー・クラーク/アル・ディ・メオラ/レニー・ホワイトのラインナップがリターン・トゥ・フォーエバーの黄金期と呼ばれるようになります。5作目『ノー・ミステリー』はグラミー賞を受賞し、その後発表した『浪漫の騎士』も大ヒット。リターン・トゥ・フォーエバーの地位を不動のものとしたのが、この黄金期。

しかし、単にセールス的に受けたというだけではない。この時期のリターン・トゥ・フォーエバーのプレイはスリリングこの上ない。まだボトムを支える気があった時期のスタンリー・クラークによるドライブ感満載のグルーヴ、レニー・ホワイトのちょっと腰高ながら疾走感のあるグルーブ、アル・ディ・メオラの速弾き、チック・コリアのエレピサウンド、これらがぶつかり合って火花を散らしているのである。

音数はとにかく多いし、全員個性が強くアクのあるプレイスタイルだけにごちゃごちゃする。そんなカオスな状態ながらギリギリのラインで調和している。そこらのロックバンドよりよほどロックしていました。

そんな充実の黄金期でしたが、レニーとアルが抜けることに。新メンバーを迎えてしばらく活動するも、ほどなくして解散。

再結成

リターン・トゥ・フォーエバーは黄金期のメンバーで再結成ライブを何度か行っています。みんな歳をとって少しは落ち着いたと思いきや、全くですね

もはやベースの役割を果たす気がないスタンリー・クラーク、とりあえず6連符するアル・ディ・メオラ、パタパタとお馴染みの手数を入れていくレニー・ホワイト、そして唯一安心してみていられるチック・コリア。お祭り状態です。なにより、リズム隊の二人の方がウワモノよりリズムがタイトじゃないという現象にはどうリアクションしていいかわかりません。

全員がソロミュージシャンとして活動をしており、しかも結構成功しているだけに収集がつかないのでしょう。以前の数倍はごちゃごちゃしている。しかし、それでもなぜかかっこいい。明らかなミスやリズムのズレがありながらもかっこいいと思わせるリターン・トゥ・フォーエバーはやはり伝説的バンドですね。

Return to Forever IV

チック・コリア、スタンリー・クラーク、レニー・ホワイト、フランク・ギャンバレ、ジャン=リュック・ポンティによる再編成バンド。フルピッキングしかしないアル・ディ・メオラの代わりに、スウィープお化けを加入させている。

ヴァイオリンが入ることにより、新たな響きが楽しめますが、全体的に大人しくなってしまい、個人的にはやはり黄金期のラインナップの方が好みです。

■音楽性

フュージョン/クロスオーバーを代表するバンドということで、ジャズと他のジャンルを積極的に融合させています。初期はラテンを採り入れていましたが、黄金期はロック・プログレ色が非常に強かった。

黄金期のときの演奏はひたすら騒がしく、ごちゃごちゃしており、全員が主張しているような状況ですが、一方でなぜか調和がとれていたのが印象的。

特にスタンリー・クラーク/レニー・ホワイト/アル・ディ・メオラの相性が抜群だったのであろう。スタンリー・クラークとレニー・ホワイトのリズム隊はルーズで前のめりながらそれが疾走感を生み出し、異常なグルーヴを生み出していた。また、アル・ディ・メオラとスタンリー・クラークの速弾き対決も聞き応え十分。チック・コリアは誰とでも上手く演奏できるので、相性とかは関係ないですけど。

■メンバー

メンバーの出入りが多いので黄金期のみ紹介します。

チック・コリア(key)

リターン・トゥ・フォーエバー、エレクトリックバンド、アコースティックバンドなどなど、数々の有名バンドを結成してきたピアニスト/キーボディスト。人材の発掘も得意。引き出しが多すぎるリズムパターン、左手のグルーヴ、変態的なフレージング、エレピの使い方などなど、実力は言うまでもない。リターン・トゥ・フォーエバーで一番安心してみれるお方。

スタンリー・クラーク(b)

リターン・トゥ・フォーエバーの暴走機関車。音数重視の速弾き、ブリブリのサウンド(当時)、全くタイトじゃないけどなぜかグルーヴする、ライブ中のソロが一番盛り上がるという特徴を持つベーシスト。リターン・トゥ・フォーエバーで最も安心して見れないお方。しかし、そのハラハラ・ドキドキ感こそがリターン・トゥ・フォーエバー。あと作曲能力が高い。

アル・ディ・メオラ(g)

元祖速弾きギタリストとして有名なアル・ディ・メオラ。当時はまだ音があまりキレイではなく、雑なプレイが結構多かったが、6連符を使ったスピード感のある速弾きは、それまでのジャズ界には新鮮。スタンリー・クラークと同じく速弾きテンション芸が得意であり、ライブ中のソロは盛り上がる。ただ、スタンリー・クラークとの違いは暴走しないこと。速弾きテンション芸が多いわりに、リターン・トゥ・フォーエバーの中では意外と安心してみれる

レニー・ホワイト(ds)

リズムがルーズなベーシストとの相性抜群のレニー・ホワイト。スタンリー・クラーク以外で挙げるならヴィクター・ベイリーなど。腰高でボトム感がそれほどないながら、小気味良いグルーヴ感のあるドラマー。大人しそうにみえるし、実際に行き過ぎたテンション芸はしないが、わりと曲中ずっとパタパタしている。そのため、意外と安心してみれない。レニー・ホワイト/スタンリー・クラークの、抜群に安定感はないが、疾走感とスリルをもたらすリズム隊こそがリターン・トゥ・フォーエバー。

■リターン・トゥ・フォーエバーの何が良いのか?

リターン・トゥ・フォーエバーの何が良いかというと、やはり個性のぶつかり合いです。最高峰の実力を持つミュージシャン、しかも全員が主張しまくる個性的な人たち。そんなやつらが集まって演奏することによるエネルギーは凄まじい。

あと一歩で崩壊してしまうバランスがギリギリのところで均衡を保っている感は、聞いていてスリル満載!どのプレイヤーに注目して聞いていても楽しいし、エキサイティング!そして楽曲に関しても作曲能力の高い方が集まっているため、ハイクオリティ。

■なにを聞けば良いか?

黄金期の話ばかりしているが、作品の完成度・歴史的意義から初期の作品も絶対に外せない。

デビュー作の「リターン・トゥ・フォーエバー」はジャズの歴史において大きな意味を持つので必聴であろう。黄金期と比較すればとっつきにくいだろうが、純粋なジャズと比べればはるかに聞きやすいです。朝方にコーヒーでも飲みながら聞きたいところ。「ライト・アズ・ア・フェザー」も聞きやすく、楽曲の質も高いのでおすすめ。

黄金期について言えば、『ノー・ミステリー』『ロマンの騎士』を聞いておけば間違いない。『銀河の輝映』もエキサイティングなプレイが収録されており聞いておきたい。まあ、つまり全部おすすめです

また、リターン・トゥ・フォーエバーの魅力はライブにおけるインタープレイ。再結成後でも良いのでライブアルバムはおすすめ。

■まとめ

リターン・トゥ・フォーエバーは今までジャズに苦手意識を持っていた方にこそ聞いてもらいたい。特に黄金期はもはやロックバンドなので。

楽曲レベルは全て非常に高く聞きやすいし、演奏はトップミュージシャン同士のぶつかり合いが聞ける。もはや聞かない理由がないくらいである。絶対的おすすめバンドです。

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