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Stanley Clarke(スタンリー・クラーク)「伝説の両刀ベーシスト」

      2015/01/28

ジャズ・フュージョン界で活動する伝説的ベーシスト、Stanley Clarke(スタンリー・クラーク)

作曲家でもあり、映画音楽などを手掛ける。ベーシストとしては、ウッドベース、エレクトリック・ベースの両刀使いであり、どちらの楽器に関しても一流である。革新的かつ影響力のあるプレイスタイルで旋風を巻き起こした伝説級のベーシストであり、ジャンルに限らず多くのベーシストから尊敬を集めている。

これまた伝説的なフュージョンバンドであるリターン・トゥ・フォーエバーのベーシストであり、その他にはジョージ・デュークとの活動、ソロ活動を行っている。日本人ピアニストである上原ひろみを自身のバンドに招いたことでも知られる。ジェフ・ベックと昔ツアーしたこともあり、ロックファンからの人気もある。マーカス・ミラーヴィクター・ウッテンとのベーストリオバンド、S.M.V.でも活動している。

プレイスタイル

ウッドベース、エレクトリック・ベースを両方とも弾くことができ、しかもどちらも一流である。ただし、エレクトリック・ベースにおけるプレイに関しては、年々ベースらしくないプレイになってきている。なんと、自身のツアーにベーシストを帯同させる。ベーシストのツアーにベーシストが帯同するってどういうことなんでしょうかねぇ。。。。

とにかくペンタ

高度なスケールアウトで複雑なフレージングを行うジャズ・フュージョン界の化け物達。そんな中、スタンリー・クラークはひたすらペンタです。しかも30年前と同じ手グセのペンタを今でも使うほどの筋金入りのペンタっ子です

しかし、結構弾きやすいペンタフレーズを素早く弾くことにより、なにやら凄そうに聞こえるのがスタンリー流。燃費の良いペンタフレーズは、そのフレーズのわかりやすさもあって、ジャズ・フュージョン界に限らず多くのベーシストに影響を与えています。ザ・フーのジョン・エントウィッスルもスタンリー・クラークのベースをコピーしていたそうです。

ベースの役割は何処へ

自身のツアーにベーシストを帯同させてしまうスタンリー・クラーク。そう、彼はもはや自分のベーシストとしての役割を明後日の方向へ投げ飛ばしていることがある。

まず、使用しているベースがおかしい。

スタンリー・クラークは全ての弦が1オクターヴ高くチューニングされているアレンビック製のピッコロベースを使用しているのです。そりゃ、自身のツアーにベーシストを帯同させる必要が出てくるわけだ

リズム

ベーシストというのはリズムを守るものですね。しかし、スタンリー・クラークはとりあえず頭さえ合えば良い、というくらいに全くタイトではない。

でも、なぜかウッドベースの時はエレクトリック・ベースを弾いている時の100倍くらいタイトになる。エレクトリック・ベースは練習していないとスタンリー・クラークは仰っていましたが、その影響がモロにでているのかもしれません。

だが、一方でグルーヴはする。正統派なグルーヴではないが、スタンリー・クラークらしい、非常に前のめりで推進力のあるカッコ良いグルーヴである。

リターン・トゥ・フォーエバーのSong To The Pharoah Kings原曲録音におけるスタンリー・クラークのベースは最高にカッコ良いグルーヴである。

サウンド

昔は中音域がブリブリ言っているサウンドですが、最近は高音域が強調された超ブライトなサウンドです。もはや完全にベースの音ではない。

ヴィクター・ウッテンやマーク・キングも影響を受けているサウンドであり、このスタイルのベースサウンドの元祖は間違いなくスタンリー・クラークでしょう。

スラップ

非常にアクの強いサウンドでのスラップである。ただし、フレーズは汎用性が高く多くのベーシストにコピーされている。また、ゴーストノート中心のスラップスタイルも得意としているが、このスタイルは弾きやすいわりに非常にカッコ良いため、これまた多くのベーシストに影響を与えている。

必殺技連発のベースソロ

ジャズ・フュージョン界のベーシストの一つの腕の見せどころはやはりベースソロ。自分のツアーにベーシストを帯同させるスタンリー・クラークはもちろん毎曲のようにベースソロを弾きます。

そして、スタンリー・クラークのベースソロというのはスタンリー流の必殺技が数多く登場するので、異様な盛り上がりを見せます。そんな必殺技の数々をご紹介。

①とりあえずペンタで速弾き
ギターライクな速弾きをベースで行うことを広めたのは間違いなくスタンリー・クラークです。ペンタでとにかく速弾きをしまくるのはスタンリーのベースソロにおける一つの必殺技。しかし、スタンリー・クラークは結構細切れにフレーズを弾くタイプなので、この必殺技は尻切れトンボになりやすいのが弱点。

②3フィンガー高速6連弾き
スタンリー・クラークのベースソロ終盤に活躍する必殺技。3フィンガーでひたすら同型の6連フレーズを高速で弾くという、弾くのは難しくない割にかっこいい・凄そう・盛り上がるというこれ以上なく燃費の良い必殺技。この必殺技は多くのベーシストにその後導入されております。燃費が良く汎用性が高いことから、現在でも使用ベーシストが数多くおり、スタンリー・クラークのベース界における影響力の強さが窺える。

③エモーショナルコード弾き
こちらもスタンリー・クラークのベースソロ終盤に活躍する必殺技。②と同じく弾くのはそれほど難しくないが、ドラマチック・凄そう・盛り上がるというこれまた三拍子が揃った必殺技。②ほどではないが、この必殺技も多くのベーシストにより導入されている。

④とりあえずスラップしまくる
またまたスタンリー・クラークのベースソロ終盤に活躍する必殺技。とりあえずスラップしまくるという必殺技です。ゴーストノートを多用してとにかく音数勝負のスラッププレイ。ライブ時は異様な盛り上がりを見せる。ちなみにウッドベースでもこの必殺技を使うことがある。②ほどではないが、多くのベーシストにより導入されている必殺技。

⑤弦を手で叩きまくる
これは③④と組合せて使われることが多い必殺技。見た目的なインパクトがとにかくある。見た目のインパクト意外にはそれほど必要性はないので、①〜④の必殺技ほどは普及していない。それでもたまに使う人はいる

⑥指の腹で弦をぼこぼこしてツーバスのような音を出す
比較的新技。この必殺技単体ではあまりインパクトがないが、組合せて使用するのも難しいため、ワンポイントでたまに使う程度。地味に音を大きく出すのが難しく、汎用性も低いため、今のところ他のベーシストで使っている人はみたことない。しかし、必殺技の研究に余念がなく、新技を定期的に発表するスタンリーの勤勉さにあっぱれです。

スタンリー・クラークのベースソロは基本的に毎回上記の①〜⑥の必殺技が使われます。特に②は頻出で、③〜⑤のコンビネーション必殺技も同じくらい頻出します。要はベースソロのオチが毎回パターン化されているので、聞いている方も大体予想がつくのである。

ベースソロの度に同じような必殺技を連発するスタンリーですが、その予定調和っぷりが一周回ってディズニーランド的な楽しみを聞いている側に与え、ライブ時には観客の方も「待ってました!」と言わんばかりに熱狂します。

しかし、真面目な話ですが、毎回同じオチでも許されるというのは、それ程にそのオチがオチとして完成されているということでもある。実際に②についてはほとんどのベーシストが人生で一度は自身のベースソロのオチとして使ったことがあるはずである。

若手を起用

スタンリー・クラークは今でもプレイが非常に若々しいのが特徴。おそらくその理由は自身のバンドや共演者に若手を起用することが多いからだと思います。

もうすっかり大御所の立ち位置にいるはずなのに、今でも積極的に若手と関わっていく姿勢は本当に素晴らしい。

だからこそ、若手のファンが多いのだろうし、いつみても若さに溢れたカッコ良いプレイを見せてくれるのでしょう。

まとめ

スタンリー・クラークは上手い上手くないという次元を超えた全てがカッコ良いベーシストです。

技術的な話をすれば、ベース界にはとんでもびっくり人間が数多いので、もはやスタンリー・クラークでは太刀打ちできない。しかし、もはやスタンリーはその域で比べるべきベーシストではないのである。

マーカス・ミラーとヴィクター・ウッテンとS.M.V.というトリオも組んでいるが、ご存知の通りマーカスとヴィクターはとんでもない技術を持っており、スタンリーより技術水準は高い。しかし、それでもそんな彼らを凌駕するカッコ良さでスタンリーはベースを弾く。

スタンリー・クラークは誰にも流されずに、自分の道をひたすら突き進んだベーシストであり、それによって圧倒的といえるオリジナリティを確立している。スタンリー・クラークを聞くと、自分の個性を持つということが音楽において大事であることに気付かされます。

ベース界がどれだけ発展しても、間違いなくスタンリー・クラークのファンというのは存在し続けるでしょう。それほどに技術を超えたカッコ良さが彼には備わっている。

 - ベーシスト ,

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