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Victor Wooten(ヴィクター・ウッテン)「大道芸人」

      2017/05/14

ベース界の大道芸人、Victor Wooten(ヴィクター・ウッテン)

主にジャズ・フュージョン界で活動するベーシストである。ベラ・フレック率いるベラ・フレック・アンド・フレックトーンズ、グレッグ・ハウデニス・チェンバースとのトリオ、スコット・ヘンダーソンスティーヴ・スミスとのトリオ、6弦フレットレスベーシストであるスティーヴ・ベイリーとのベースエクストリームズ、スタンリー・クラークマーカス・ミラーとのベーストリオであるS.M.V.などの活動は知られている。

また、ソロ活動ではベースを全面的に押し出している作品を発表しており、多くのベーシストに衝撃を与え続けている。1stアルバムに関してはベース1本で演奏されているというなんともアホなアルバム。もちろん超絶テク満載。

ちなみに兄弟もプロのミュージシャンの音楽一家。

実用性の薄い大道芸テクニックをこれでもかというレベルにまで極めて、しかもそれを音楽的に調理してしまったことにより、同様のテクニックを用いるベーシストの株を落としまくっている

プレイスタイル

超絶的かつ実用性の薄いびっくりテクニックを多用。しかも、それをこれ以上は極められないというレベルにまで高めた上で、音楽的に調理している。所謂人外。

スラップ、両手タッピング、ハーモニクスといったテクニックを自由自在に扱うが、特にスラップテクニックの高さは異常。

また、グルーヴ、フレージング、コード弾き、即興ソロのレベルが高く、隙がないベーシストである。

スラップ

ヴィクター・ウッテンのスラップテクニックはとにかく異常の一言。スラップで表現できることを限界まで伸ばすため、ありとあらゆるスラップテクニックを使いこなすことが特徴です。あらゆるスラップテクニックを組み合わせることにより、まるでパーカッションかのようなスラッププレイを実現している。というか彼のスラップはベースの域を越えてもはや「パーカッション」である。

具体的にはサムピングアップ、ポッピング、中指プルといった技術を使うが、これらをテクニックありきで使用するのではなく、あくまで表現の幅を広げるために使っているのが驚異。

ヴィクター・ウッテンは普通の人間ではおよそ弾けないようなスラップフレーズを弾きますが、それでもあくまで音楽的なのである。テクニックを使いたいから使っているというよりは、自身の頭の中で思い描くプレイを実現するためにそれらのテクニックが必要だったのでしょう。

例えば、ヴィクター・ウッテンの曲に「U Can’t Hold No Groove」という曲がある。スラップテクニックの最高峰技術が詰め込まれている曲である。この曲はスラップのテクニック祭りといった具合にヴィクター・ウッテンのスラップテクニックが満載ですが、それでいて無駄を感じさせるテクニックがない。サムピングでリズムを刻み、プルでスネアのアクセントをつけ、残っている指でメロディを弾くのを全て同時にひとつのベースで表現する曲なのだが、まあ人外です。本当に。

両手タッピング

両手タッピングについても相当上手い。スラップと違って独自のテクニックはあまりないが、全ベーシストの中で上から数えた方が早い両手タッピング技術です。スティーヴィー・ワンダーのOverjoyedを両手タッピングで弾いていたりする。

グルーヴ

スラップテクニックに目が行きがちですが、この人はグルーヴが凄い。というより自分のグルーヴを表現するために必然的にスラップテクニックを高める必要があったのでしょう。

深く潜る重厚なグルーヴというよりは、腰高だが細かいリズムを自在に操るグルーヴ感。

だからこそスラップテクニックも手数が多く、手数の多さに対応するために通常だったら不要なテクニックまで磨いているのだと思います。

ベースソロ

派手なスラップソロが注目されますが、指弾きによるアドリブソロのレベルもベーシストの中で抜けた実力を持つ。メロディアスかつ起承転結のはっきりとしたソロが特徴です。

ヴィクター・ウッテンはクロマティックスケールを大変重要視しているのだが、その理由もあらゆる音符を自在に使いこなすためであると言う。全ての音符を全てのコードに対して自由自在に使いこなすことがヴィクター・ウッテンの一つの目標なのではないでしょうか。

言語としての音楽

超高等テクニックを操りながらも非常に音楽的なプレイをするヴィクター・ウッテン。

あまりのテクニックの高さに、そのプレイスタイルは大道芸人的に見えますが、決して単なる大道芸ではないのがヴィクター・ウッテンのベースプレイです。

ヴィクター・ウッテンは音楽を「言語」に例えることが非常に多い。言葉を話すのと一緒で、一つひとつの音符、一つ一つのフレーズをどのような場面で使うのか知る必要があるということです。

その姿勢はまさに彼のプレイに反映されており、ヴィクター・ウッテンから出てくる音は全てはっきりとした意志を持っています。

 - ベーシスト

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